体力の低下した高齢者の誤嚥性肺炎は最悪の場合、死に至る

免疫力の低下が発症につながる

風邪などで喉に炎症があると、通常なら排除できる細菌やウイルス、マイコプラズマ、カビなどがそのまま肺に入って炎症を起こしてしまいます。これが肺炎です。

国民の栄養状態の悪く、抗生物質などの治療法もなかった明治から昭和初期まで、結核や肺炎で亡くなる患者は非常に多く、戦後しばらくは日本人の死亡原因の1位と2位を占めていました。

ところが、医学の進歩や栄養状態の改善が著しい現在でも、肺炎や結核の死因年次推移は微増ながらも右肩上がりの傾向をみせています。

結核と聞くと大昔の病気を連想しますが、平成9年に38年ぶりに患者が増加傾向に転じ、「国民病」と呼ばれて恐れられていた当時の感染力に注意を促すため、平成11年には厚生労働省が「結核緊急事態宣言」を出しているほどです。

肺炎、結核の両方が増加している原因は高齢者の増加にあります。特に細菌やウイルスが呼吸を通じて体に侵入して発症する肺炎の死亡者数の95%は、65歳以上となっています。

免疫力のある若い世代は多少の細菌やウイルスの侵入では問題ありませんが、免疫力の低下した高齢者は細菌の感染力に抵抗しきれないのです。なかでも気をつけたいのは細菌に感染した食べ物や唾液が誤って気管に入って起こる誤嚥性肺炎です。

もう一方の結核患者が増加している背景には、昔結核菌に感染した高齢者が数十年経った現在になって発病しているということが考えられます。結核菌は感染して即発病というケースは少ないのですが、加齢や糖尿病、抗がん剤治療などで免疫力が低下すると、おとなしかった結核菌が活動を活発化させるのです。

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