ピロリ菌の感染予防には、乳幼児への食べ物の口移しは避けるべき

らせん状の菌

近年、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんの発症にはピロリ菌への感染が深く関与していることが明らかになっており、感染者は抗菌薬の服用による除菌がすすめられています。

ピロリ菌の除菌は、胃潰瘍や十二指腸の患者さんに検査を行って、菌がいることが確定してから行われます。

除菌は抗菌薬と胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカー)を一週間続けて服用することで行います。

正しく服用すれば80%以上の成功率で除菌ができますし、仮に駄目な場合でも別の抗菌薬に切り替えることで、成功率は非常に高くなります。

治療が終わり、4週間以上経過したらピロリ菌の除菌ができたかを確認するため、再検査が行われます。除菌療法によって慢性胃炎や胃潰瘍の再発率は劇的に低下することで、根本的治療と位置づけられています。

戦前・高度成長期以前の上下水道の衛生環境が整備されていない時代をすごした、60歳以上の人の6割がピロリ菌に感染しているとされています。

ピロリ菌の感染経路は現段階でははっきりとわかっていませんが、諸説はあります。主な侵入経路として考えられるのが、食べ物や飲み物と一緒に口の中にピロリ菌が侵入する「経口感染」です。

しかし、ピロリ菌は、胃粘膜の免疫力が弱い幼児期に感染するケースがほとんどですので、先進国の中でも衛生意識の高い日本の幼児にどうやってピロリ菌が侵入するのかという疑問が残ります。

有力なのが、ピロリ菌に感染している親が、乳幼児の子供のために固い食べ物を1回自分の口で噛み砕いてから、食べさせてあげることによって口から口への感染する家族内感染です。

現在では少なくなっていますが、免疫力が低い乳幼児に対して口移しで食べさせるのは避けたほうがよいです。そのほか、ハエやゴキブリを媒介として感染するという説もあります。ただしキスや家族で鍋をつつきあったりする程度ではピロリ菌に感染することはありませんので、心配要りません。

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